Q&A
Q: 塾長はハーバード・ビジネススクールで修士号(MBA)を取っていますが、なぜ英語塾をビジネスとして大きく成長させずに、自宅でこじんまりとやっているのですか?
A: 私は英語を教えることをビジネスにしたくなかったのです。ビジネスとは端的に言えばお金を儲ける仕組みを作ることです。英語塾をビジネスにすると、自分で教えることではなく、施設や宣伝にお金をかけて多くの生徒を集め、講師を雇い、組織を維持し拡大することに時間と労力がとられます。私は自ら直接に生徒を教えることに注力したいので、自宅でできる範囲にとどめることにしました。
Q. 吉祥寺英語教室は、受験塾でも補習塾でもないということですが、どのような位置づけなのでしょうか?
A. 受験や補習という枠にとらわれず、純粋に英語力を向上させることを目的としています。受験塾や補習塾は、主に書かれた英語に対して問題を解くことが中心の、いわゆる「勉強」スタイルです。吉祥寺英語教室がイメージしているのは、むしろバレエ、ピアノ、合唱といったレッスンです。時間内で、できるだけたくさん耳から英語を入れて、口から英語を出す、勉強というよりはトレーニングというイメージです。
Q: 具体的なイメージを教えてください。
A: 例えば、文法学習は、英語を使うためのルールですので、そればかり教えても意味がありません。それはまるで踊り方を本で学んでいるようなものです。本を読んでいるだけではダンスが上達しないのと同じように、文法を授業や問題集で学ぶだけでは英語は上達しません。正しい発音で英語を発する時間が大事です。学校や受験塾では、間違った発音をしてもほとんど直されません。発音チェックの機会がそもそもあまりありません。バレエでは実際に踊ってそのフォームを矯正するように、吉祥寺英語教室でも英語をどんどん口から出させて発音を矯正し、それを定着させて一生ものの資産になるようにしています。
Q: クラス運営にはどのように反映されていますか?
A: 言語の成り立ちはまず音があって文字が加えられました。相手が言っていることを理解することがコミュニケーションの第一歩です。したがって、当教室では文字を見る前にまず音を聞かせて意味をとらせる練習を取り入れています。すると頭の中は??で一杯になります。そしてテキストを見ると「この単語知っているに聞き取れなかった」とか「こんな英語を使うんだ~」といった気づきがあり、これが良い脳刺激となり学習効果が高まります。初めての教材を音でいきなり逐次通訳させたり、シャドイングをやることがあります。生徒には「間違ってもいいからやってごらん」と、プレッシャーをかけずに楽しみながらやらせています。
Q. 先生の経歴を見ると、クラスのレベルが高く、指導も厳しそうでハードルが高く感じられるのですが。
A. 確かに使用している教材や指導内容のレベルは、学校教育の1~2年先を行くイメージですが、それを生徒が苦痛を感じず、むしろ楽しいと感じて(そこまででなくても前向きな気持ちで)取り組んでいます。まず、私が発音や意味の取り方を丁寧に説明し、独自の方法で練習をするので、ハイレベルの英語でも無理なく履修できます。また、私自身の性格がのんびり穏やかですので、生徒さんはあまり緊張せずに、リラックスして学べるようです。私は、恐怖心を煽るような威圧的なスタイルは全くとりません。むしろ生徒の自主性を育むように、あえて厳しく言わないようにしています。それでも生徒さんのほとんどは、自分の英語力の上達に手ごたえを感じているのか、前向きに取り組んでおり、無理やり通わされている感じの生徒は皆無といってよいです。
Q. それでも子供がレベルの高いクラスについていけるか心配なのですが。
A. 必要なのは、やる気、真面目さ、密度の濃い授業への集中力です。学校の勉強が普通にできる学力があれば大丈夫です。クラスでは、単語の意味、文法や文の構造などを丁寧に説明しますので、英文の意味がわかる状態になります。あとは自宅で、意味の分かっている英文をコツコツリピート練習すれば、文字、音、意味が三位一体となって頭に入っていきます。子供の脳は吸収が早いので、継続すればいつの間にか、正しい発音、語彙力、文法知識などを身につけることができます。またレベルの高い他の生徒さんと比較する必要もありません。ご自身の英語力が伸びることが大事なのです。
Q 個別対応の塾もありますが、こちらはどうでしょうか?
A 当教室はグループレッスンなので、基本的に同じクラスは一斉に同じことを行います。私は当初、個別方式も検討しましたが、グループ形式の方がメリットが大きいと判断しました。まず、内容の密度が圧倒的に違います。同じ空間で違う内容を学ぶ生徒がいる場合、順番に対応している間は他の生徒は自習します。すると新しいことを教える時間は限られます。全体方式の場合、同じ内容を全員でリスニング練習、音読練習などをし、私が語彙や文法の説明をします。クラスでは留学時の体験談や英語にまつわる面白い話や社会的な教養の話を交えることも多く、これは個別にはとてもできません。一方で、個別に音読をチェックする時間もあり、その場合は文法問題や学校の課題などを同時進行でやっています。トータルでみると、音読やリスニングなど音を使ったトレーニングにあてる時間をより多くとることができます。このように、学べる英語量がグループ方式はかなり多いので、効率的かつ効果的と言えるでしょう。さらに、クラス全体の雰囲気も一体感が作られるので、親睦も深まりやすいです。
Q. 宿題は多いのですか?
A. はっきりいって少ないです。宿題は1日15分程度の音読、リピート練習を毎日やることです。クラスで学んだ箇所を復習することで定着を図ります。単語を調べる等の予習は原則ありません。また大量の問題集を解かせるような宿題も出しません。大事なのは口から音を発する練習で、毎日ピアノの練習や、筋トレをするのと同じです。他の英語塾では大量の宿題を出して英語力を高めることを狙っているところもありますが、当教室では、予習や復習に過度に依存せず、クラス内で密度濃いレッスンをすることで上達を目指します。音も使わずに間違った発音が放置される英語学習課題は、利よりも害が大きいかもしれません。学校の英語学習も、テキスト付属CDを活用し、音を入れた勉強をしてほしいものです。
Q. 塾長の「音符理論」について聞かせてください
A. 理論というほどのものではありませんが、英語の文字と音符に例えています。私の娘達のピアノレッスンに付き添っているときに思いつきました。音符を見ると音のイメージが浮かび正しい鍵盤を押せることと、英単語を見ると音がイメージ出来て正しく発音できるということが、似ていると思ったのです。ですから英語学習でも難しいことを考えず、とにかく文字を見ながらネイティブの発音を真似して、どんどん口から英語を出すトレーニングが大事なのです。無言で問題集をカリカリやる時間を減らし、音源をつかったリピート練習を増やしてほしいのです。
Q: なぜそこまで音にこだわるのですか?
A: それは、文字中心の日本の英語教育を補完するためです。私が高校留学した時の2つの原体験がきっかけです。ひとつめは、初めのうちは私の英語を聞き取ってもらえなかったことがあったことです。日本ではESSで英語を鍛錬しており発音にはそれなりの自信があったので、これはショックでした。日本人の英語は私たちの想像以上に聞き取りにくいのです。2つめは、現地高校でフランス語クラスをとりましたが、そこでは先生はフランス語を話してクラスを進めており、テキストはありませんでした。実は日本の高校ではフランス語を第二外国語として履修していたにもかかわらず、クラス進行についていけなかったという苦い思い出があります。しかし日本の英語教育は教科書中心、文字中心で、学生は総じて発音が下手でリスニングも弱く、まるで筆談のための英語です。相手が言っていることを理解し、自分の意思を正しい発音で伝えることが、コミュニケーションの基本です。
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